摘 要
唐代诗人李白的诗作《静夜思》在中日两国家喻户晓。虽短小精悍,但中日流传版本各不相同。中国流传版本中,第一句作“床前明月光”,第三句作“举头望明月”;而日版则分别为“床前看月光”、“举头望山月”。关于何为原作的问题,日本学者森濑寿三在《关于李白lt;静夜思gt;》一文中做了详细考察。经查阅各类古籍,他发现记有“床前看月光”、“举头望山月”的传本宋刊本《李太白文集》为迄今有据可查的最古老版本,因而判断日版实为李白原作。本文围绕中日两版《静夜思》字句差异,试从诗体、语法、释义等角度分析其各自合理性与欠缺点。
其次探讨首句中“床”字作何解。此处“床”字是否同现代汉语意义一致,学术界对此尚无定论,众说纷纭。本文选取目前三种主流说法,即释为“床”、“胡床”、“井栏”,对其分别进行分析,并从作诗的场所、环境、诗人心境、以及井的民俗象征意义等方面,试证明三者相较而言,“井栏”一说更为妥当。
关键词:静夜思;李白;床;井栏
目 次
はじめに 1
1 「静夜思」のジャンル 3
1.1 五言絶句 3
1.2 古体五言絶句 4
2 本文字句の問題点 6
2.1 「明月光」と「看月光」 6
2.2 「月」「頭」の重複使用につ※いて 11
3 「床」はどこか 13
3.1 「ねどこ」・「寝台」という解釈 13
3.2 「胡床」という解釈 15
3.3 「井戸」という解釈 17
おわりに 22
参考文献 24
謝辞 25
はじめに
唐は、最大の勢力を誇った7世紀には、東は朝鮮半島、西は中央アジアのアナル海、南はベトナムに達する巨大な帝国であった。李白はその繁盛する唐文化で育てられた偉大な詩人であり、中国文化史における極めて有名なロマンチック詩人と見られて、その才能も天から授けられたものと称される。彼の「静夜思」は最も人口に膾炙した名作の一つである。多数の人の心を奪うその詩は僅か四句しかないが、味わいがあり、千年もの世代を経て現代まで伝わってきて、中国においてその詩を知らない人はいないと言えよう。その名高さとわかりやすさにより、日本においても古典漢文の基礎教材として採用されるが、字句の相違がある。中国版と日本版それぞれの本文は以下のとおりである。
中国版:床前明月光、疑是地上霜。挙頭望明月、低頭思故郷。
日本版:床前看月光、疑是地上霜。挙頭望山月、低頭思故郷。
宋の時代における宋刊本『李太白文集』(日本静嘉堂藏本)、宋の郭茂倩編纂『楽府詩集』、洪迈編集『万首唐人绝句』に収録された「静夜思」の一句目は全部「床前看月光」であり、三句目は「挙头望山月」である。元の萧士赟『分类补注李太白集』、明の高棅『唐詩品汇』でもそうである。ずっと清の時代まで、『全唐詩』、『李太白文集』でこの詩本来の字句が保持された。しかし、王士祯『唐人万首絶句选』、沈徳潜『唐詩別裁』、乾隆御定『唐宋詩醇』では、一句目は「床前明月光」となった。そして蘅塘退士孫洙編『唐詩三百首』では、三句目はさらに「挙头望明月」となった。その後の様々な伝本は主に『唐詩三百首』に依拠して、現代まで伝わってきた。唐、宋の時代、この詩は日本に伝わっていったという[2]。日本人は唐詩を尊重するので、その伝播の途中で何の添削もしなかったという。明代以降に「静夜思」は今の形に書き換えられて広まったもので、オリジナルは日本版の方だということが2009年[3]に判明したそうである。
故に、どちらが原作かとの考証は本論ではしない。文学性の角度から、両版「静夜思」の優劣と解釈の問題点について説明するつもりである。
1 「静夜思」のジャンル
1.1 五言絶句
絶句は四句から成る短い詩型であるが、四句は起・承・転・結という内容の順に展開することになっている。絶句は律詩絶句と古体絶句に分けられる。律詩絶句は律詩から生まれるから、律詩と同様に、詩の型が厳格に要求される。五言絶句の平仄式は以下の四とおりである。(平声字:○印、仄声字:●印)
ア (●)●○○●、○○●●○。(○)○○●●、(●)●●○○。
例文:白日依山尽、黄河入海流。欲窮千里目、更上一層楼。
王之渙「登鸛雀楼」
イ (●)●●○○、○○●●○。(○)○○●●、(●)●●○○。
例文:月黒雁飛高、単于夜遁逃。欲将軽騎逐、大雪満弓刀。
盧綸「塞下曲」
ウ (○)○○●●、(●)●●○○。(●)●○○●、○○●●○。
例文:鳴筝金粟桂、素手玉房前。欲得周郎顧、時時誤拂弦。
李端「聴筝」
エ ○○●●○、(●)●●○○。(●)●○○●、○○●●○。
例文:花明綺陌春、柳拂御沟新。為報遼陽客、流芳不待人。
王涯「閨人赠远」
「静夜思」の平仄式(A詩:中国版、B詩:日本版):
A [起]床前明月光、 ○○○●○ B [起]床前看月光、 ○○●●○
[承]疑是地上霜。 ○●●●○ [承]疑是地上霜。 ○●●●○
[転]挙頭望明月、 ●○●○● [転]挙頭望山月、 ●○●○●
[結]低頭思故郷。 ○○○●○ [結]低頭思故郷。 ○○○●○
床(chuang)は平声のang韻を踏み、「平起式」に属する。光(guang)、霜(shuang)、郷(xiang)はang韻を踏む。五言絶句は普通承句と結句に押韻するが、この詩では起句も押韻で、「首句入韻式」に属する。また、承句と転句では平仄の規則を外れている。こうして見れば、両詩とも五言絶句の平仄式に合致しない。
1.2 古体五言絶句
それでは、「静夜思」の詩型式を古体絶句と比べたらどうなるか。古体絶句は絶句の一種、律詩絶句の前に現れた。そして楽府歌謡から大いに影響を受けて、五言古体絶句と七言古体絶句に分類される。五言古体絶句の特徴は以下のとおり[4]:
①首に四句。
②平仄の規則に拘らず。
③対句の規則に拘らず。
④仄声韻は許される。
五言古体絶句例文:
鋤禾日当午、汗滴禾下土。誰知盤中餐、粒粒皆辛苦。
○○●○●、●○○●●。○○○○○、●●○○●。
唐・李紳「憫農詩」
これも「首句入韻式」である。鋤(chu)は平声の韻を踏み、「平起式」に属する。午(wu)、土(tu)、苦(ku)はu韻を踏む。「静夜思」の形式と似ていると言えよう。もう一つの例:
江上往來人、但愛鱸魚美。君看一葉舟、出沒風波里。
○●●○○、●●○○●。○●○●○、○●○○●。
宋・范仲淹「江上漁者」
これは本当に絶句と言えるかと質疑する人がいるであろう。確かに同一の韻も踏まないし、五言絶句の平仄式にも合わない。「静夜思」より一層規則を外れるが、それでも古体絶句である。
五言古体絶句は南北朝時代に現れるが、唐代にまで古体絶句の形に従って詩を創作する詩人はまだいる。李白もその中の一員である。以上の分析により、「静夜思」は古体五言絶句の特徴に該当する。
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