摘 要
2010年8月24日,年仅46岁的日本动画大师今敏,因胰脏癌悄然离世。他曾不仅在日本国内,在国外也享有盛誉。为此,一些国外网站上也都纷纷发表了他的讣告。作为与手冢治虫、宫崎骏、大友克洋等日本动画界巨匠齐名的动画导演,今敏以其虚实交错的故事情节、高质量的电影画面和超现实主义风格,在日本动画界独树一帜。本论文以今敏的《未麻的部屋》、《千年女优》、《红辣椒》三部动画电影作品为中心,从主人公的回忆与梦境、多向度的时空等虚与实的角度,分析今敏通过这些作品所表达的主题思想。今敏作品的魅力,不仅在于其剧本的巧妙和新奇的电影表现手法,更在于其电影作品中流露出来的对现实的反思性。其作品将虚与实的界限弱化,冷静思考当下社会百态,深刻揭露岌岌可危的个体精神世界,具有深刻的启示意义。
关键词:虚与实;今敏;日本动画
要 旨
2010年8月24日、日本アニメーション監督である今敏は、膵臓癌により46歳の若さで亡くなった。日本国内だけではなく、海外でも評価の高い監督だったということもあり、彼の訃報は海外でも続々と報じられている。手塚治虫・宮崎駿らに並ぶ日本アニメ界の巨匠、アニメーション監督今敏は、虚と実が交差するストーリーや緻密でクオリティーの高い映像、そしてシュールレアリスムの作風によって、日本アニメ界で独自の一派を打ち立てる。本論文は今敏の『パーフェクトブルー』・『千年女優』・『パブリカ』という三本の代表作品を中心に、「虚と実」という視点から、今敏の作品における主題を分析してみる。また、今敏作品の魅力は、技巧を凝らしたシナリオや、映像表現の斬新さといったものに現れているだけではなく、現実への批判にも現される。今敏の作品は、虚と実の境界線を曖昧させた上で、冷静に現代生活によく出てくる事を分析し、危険きわまりない人々の精神状態を明かそうとし、人を大いに啓発する。
キーワード: 虚と実;今敏;日本アニメーション
目 次
1 はじめに 1
2 先行研究 2
2.1 今敏と彼の作品 2
2.2 今敏作風に影響を与える要素 2
3 作品主題――虚と実の境界線の曖昧 4
3.1 『パーフェクトブルー』――本当の自分を探す成長物語 4
3.2 『千年女優』――千年を超えて愛を求める旅 6
3.3 『パブリカ』――夢と現実の間の往来 7
4 今敏作品における現実への批判 9
4.1 ストレスの高い現代人の精神状態 9
4.2 オタクへの関心 9
5 終わりに 11
参考文献 12
謝 辞 13
「虚と実」の描写から見る今敏作品における主題
1 はじめに
日本アニメーションは、芸術的な高水準を維持するため、今や世界中で人気があると言われている。日本アニメの今日の世界的地位を築くには、アニメーション監督の存在は不可欠なものである。その中の代表者である今敏および彼の作品は、この論文の研究の対象となっている。
今敏の作品は、緻密でクオリティーが高い、一作毎にアニメーションが新しい可能性を開拓すると言えよう。また、彼の虚実混交の表現手法だけではなく、作品に込められた哲学や現代人の精神状態についての追究は、クリエーターにせよ、一般人にせよ、依然として考える価値があると思う。したがって、彼の作品を研究することは大きな意味を持っている。しかしながら、今敏は世界で日本アニメの名手として注目されているにも関わらず、国内で専門家とアニメ愛好者以外には、さほど知られていない。また、製作技術の面から彼に関する研究論文があるが、作品の主題から研究する論文は限られたものである。(靳麗芳,2015)
要するに、本論文は今敏の代表作品である『パーフェクトブルー』・『千年女優』・『パブリカ』を取り上げて、「虚と実」の描写から、作品における主題を深く分析していくことを目指す。
2 先行研究
2.1 今敏と彼の作品
今敏は1984年、武蔵野美術大学在学中に、『虜‐とりこ‐』で『週刊ヤングマガジン』の第10回ちばてつや賞優秀新人賞を受賞し、漫画家としてデビューした。大友克洋さんのアシスタントとして活動した後、1990年に『老人Z』の美術設定で初めてアニメーション制作に参加した。数々のアニメーション制作に参加したのち、1997年『パーフェクトブルー』で初監督を務め、以降、『千年女優』(2002年)、『東京ゴッドファーザーズ』(2003年)という二つの劇場版オリジナルアニメを公開し、2004年にはオリジナルのTVアニメシリーズ『妄想代理人』を制作した。2006年には筒井康隆原作の『パプリカ』を公開し、そのどれもが世界的な評価を集めた。緻密な舞台設定に評価があり、多くのファンを持った。そして2009年、次回作として『夢みる機械』の制作に着手したが、2010年8月24日、膵臓癌により46歳の若さでこの世を去った。その後も『夢みる機械』は未完のままであった。
2.2 今敏作風に影響を与える要素
今敏作品の風格は色々な要素を受けることで形成するものである。フランスの哲学者イポリット・テーヌが、ある社会の文学や芸術は「人種、環境、時代」によって決まると主張したように、今敏の作風もこうした要素によって特徴付けられるべきだと考えている。(斉藤達也,2014)
戦後の日本は経済が急発展となってきたと同時に、文化産業も急速に発展した。一方、欧米アニメーション産業の影響を受け、日本国産アニメーションは制作の予算が多く投入されたため、大きな発展を遂げる。そして子供向けのみならず、大人も楽しめる内容のアニメを作り、現在の日本アニメは幅広い年齢層から愛され続けている。
そういう時代に生まれた今敏は、高校時代からアニメーションのファンであった。彼自らもインタビューで「アニメーションは好きで、高校生くらいまではテレビ・映画ともよく見ておりまして、『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』『機動戦士ガンダム』などの作品に熱中したものです。宮崎駿監督作品『未来少年コナン』なども好きでしたし、『ルパン三世・カリオストロの城』などはアニメーション、というより広く映像を学ぶ意味でも大変参考にさせてもらいました」と語った。そしてそれをきっかけに、今敏は高校卒業後に武蔵野美術大学に進学し、グラフィックを専攻する。この時期には外国映画や筒井康隆の作品を見ることが多かった。また日本映画からも影響を受け、特に黒沢明の作品を好んでいる。今敏作風が形成するには、彼らの影響を深く受けたと言えよう。
また、今敏作品における音楽について言うなら、まず平沢進の名前を挙げるのが適切だろう。『千年女優』、『妄想代理人』、『パブリカ』の3作で劇伴と主題歌を担当しただけではなく、今敏自ら「『千年女優』の音楽を担当していただいた平沢進さんには私淑しています。彼の音楽や制作態度には多く学んでいますし、私の作る物語や発想は氏の影響に負うところが大きいです」とまで語るほどの大きな存在である。
3 作品主題――虚と実の境界線の曖昧
虚と実の交錯は今敏の全作品を通して見られる特徴である。虚と実とは決して独立したわけではなく、お互いの存在を依存する。『パーフェクトブルー』の主人公未麻は、解離性障害[1]が進み幻想が現実へ侵入してきた危機に乗り越えて、最後に幻の「もう一人の自分」を打ち勝って成長した。『千年女優』の主人公千代子は、自分の過去を語り続けるうちに、記憶と映画の世界が徐々にまじりあっていく。『東京ゴッドファーザーズ』は三人の主人公の過去と今の生活が交錯して描かれている。『パブリカ』での千葉敦子はDCミニを利用して、精神を崩壊した人々を助けに、現実と夢の間に行き来する。
3.1 『パーフェクトブルー』――本当の自分を探す成長物語
『パーフェクトブルー』は今敏監督のデビュー作品である。B級アイドルグループ「チャム」のメンバー・霧越未麻は、女優への転身を図る。そこで女優としての初出演は「ダブルバインド」という作品である。最初は「あなた誰なの?」という一言しかなかったが、脚本家渋谷により強烈なレイプシーンや、カメラマン村瀬のヘアヌード写真など過激な仕事内容はどんどん増えてくる。世間の目を集めるものの、ファンたちが彼女を裏切り者として見るようになり、「未麻の部屋」というインターネットサイトでアイドル時の未麻の口調で、彼女の行動を細かに書かれるストーカー行為を受けるなど、彼女が精神的に追いつめられていく。そして未麻に厳しい仕事を与えた脚本家渋谷とカメラマン村瀬が次々と惨殺されていく。そんな彼女の前に、アイドルの衣装を身に着けた「もう一人の自分」が現れる。彼女は現実と幻想、或いは虚と実の交錯の中で自分を失い、日常が壊れていく。
3.1.1 二重人格の争い
この作品は、虚と実が交錯していくストーリーで展開する。演出上で、未麻の「二重人格」という設定に重点を置く。女優へ転身した未麻は、会社の期待を考えると断らない仕事からのプレッシャーと、彼女を裏切り者として見るようになったファンたちの不満を募らせ、アイドルのままでいた自分の幻影を見えようになった。
その時の未麻は、自分が純情なアイドルとまったく違うキャラになってしまうことをよく知っていて、精神状態が混乱している。未麻の心像風景を描写するために、未麻の部屋など細部描写を細かく描いてきた。たとえば、未麻が未来への道を彷徨うところに、部屋の「金魚鉢」の中で、二匹の金魚が争っているように泳ぐ。レイプシーンが終わった後、未麻は家に帰った時、金魚が全部死んでしまったことを知り、混乱して部屋を散らかす。つまり、部屋の様子が、ある意味で未麻の精神と合うように荒れていく。
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