摘 要
中日甲午战争之后的 1895 年间,“观念小说”以揭露日本明治时期资本主义社会的弊病,抨击扼杀人性的社会状态而流行起来。同一年,泉镜花发表了《夜行巡查》、《外科室》作品,作为观念小说的新锐作家而崭露文坛。之后泉镜花转向了浪漫、神秘的写作风格,开拓了独具一格的境界。观念小说被认为是其镜花文学的原点。
本论文通过分析《外科室》和《琵琶传》两部作品中女主人公的行为和心理变化, 研究了泉镜花的观念小说中的女性观和爱情观,并尝试明确泉镜花的观念小说对其后面的浪漫写作风格所带来的影响。
关键词:泉镜花;观念小说;女性形象;《外科室》;《琵琶传》
要 旨
日清戦争直後の 1895 年ころ、明治資本主義社会の歪みに目を向け、人間性を圧殺する社会のあり方を糾弾した「観念小説」が流行っていた。同年、泉鏡花は「夜行巡査」、「外科室」を発表して観念小説の新進作家として認められた。後にも浪漫的・神秘的作風に転じ、独自の境地を開いたが、観念小説は鏡花文学の原点だと考えられる。
本論は泉鏡花の観念小説で書かれた男女の恋をきっかけに、「外科室」と「琵琶伝」を通して、作品の女主人公の行為と心理変化を分析し、泉鏡花の女性観と愛情観を考察しようとするものである。また、泉鏡花の観念小説は以降の浪漫的な作風に与えた影響も明らかにしたい。
キーワード: 泉鏡花;観念小説;女性像;「外科室」;「琵琶伝」
目 次
- はじめに 1
- 研究動機 1
- 先行研究 1
- 研究目的 2
- 泉鏡花の観念小説について 3
- 「外科室」の女性像 4
- 隠れた欲望 4
- 生と死の選択 5
- 「琵琶伝」の女性像 7
- 縛られる婚姻 7
- 愛情の自由への求め 8
- 愛のため復讐 8
- 泉鏡花の観念小説に見る女性観 10
- 強権社会での女性悲劇の共通性 10
- 「愛と婚姻」を初めとして 10
- 「愛と婚姻」の意義 11
- 泉鏡花の成長経歴 11
- 「外科室」と「琵琶伝」の異同 11
- 終わりに 13
参考文献 14
謝 辞 15
泉鏡花の観念小説に見る女性像
──「外科室」と「琵琶伝」を中心に
1 はじめに
研究動機
日清戦争直後の 1895 年ころ、明治資本主義社会の歪みに目を向け、人間性を圧殺する社会のあり方を糾弾した「観念小説」が流行っていた。同年、泉鏡花は「夜行巡査」、「外科室」を発表して観念小説の新進作家として認められた。後にも浪漫的・神秘的作風に転じ、独自の境地を開いたが、観念小説は鏡花文学の原点だと考えられる。
先行研究
これまで、鏡花の観念小説に関わる研究が主に以下の三つの側面に焦点を当ててきた。
一、小説の叙述構造
「泉鏡花小説叙事視角的更迭」(宿久高、孫艶華 2012)は「外科室」の一人称叙述、また物語の傍観者である画家の視点を通して小説の叙述構造を分析し、泉鏡花が作品における心理距離の設置、サスペンスの作り上げ、リアル感の強化などの意図を解明した。これまで、鏡花の観念小説に関わる研究が主に以下の三つの側面に焦点を当ててきた。
二、鏡花小説の空間要素
「泉鏡花的空間表現与意義生成」(韓穎 2014)は植物園が象徴する精神的に自由な空間、外科室が象徴する束縛される「家」、つまり社会的空間、また外科室で起きた理想と現実との衝突が象徴する異質空間、という三つの面で「外科室」の儀式空間を分析した。その上、鏡花文学における空間表現は鏡花の伝統への回帰、明治時代の文明開化への反発をよく反映していると指摘した。
三、鏡花小説のロマン主義
「泉鏡花浪漫主義小説的幻想空間」(孫艶華 2009)は泉鏡花が伝統的な文学と芸術への継承に基づき、ヨーロッパのロマン主義に比べながら、鏡花作品に現れるロマン主義の特徴を説明した。さらに、筆者は「外科室」を取り上げ、作品が表す三大テーマを女性、反抗、愛情と指摘した。
観念小説に関わる研究のほかには、鏡花作品における女性像についての研究もいくつか行われたのである。「泉鏡花の女性観と婚姻観について」(呉萍 2015)では、筆者は「湯島詣」を取り上げ、主人公の行為と心理変化を分析し、泉鏡花の生活経歴に合わせてみた。結果として、筆者は泉鏡花の女性観と婚姻観は幼い時の成長経歴、特に早世した母親からの影響と緊密に関係していると述べている。
「『外科室』中伯爵夫人的女性主義解読」(呉麗霞、劉麗芸 2013)は明治時代の社会背景を考察するうえ、フェミニズムの立場から、「外科室」に現れる明治時代の女性に目覚めた自意識、人々に女性解放への反省を促すという泉鏡花の意図を説明している。
また、「『琵琶伝』に見る鏡花の恋愛至上主義:婚姻制度に対する問題提起」(田中裕理 2013)では、筆者は社会の状況、婚姻制度や鏡花の恋愛・結婚観に対する分析を通して、「大衆と国家」、「家族と親族」などの観点から、「琵琶伝」における主題を考察した。「琵琶伝」はキリスト教の教えによって鏡花の中に生まれた恋愛至上主義の考えが根底にある作品であると筆者は論述している。
研究目的
上述したように、泉鏡花の観念小説について、これまでの先行研究は作品の構造や女主人公に関するものが少なくないが、観念小説を中心にして具体的な女性像のイメージ、鏡花の愛情観と婚姻観、作品間での繋がりについて、また検討の余地があると考えられる。
そこで、本論は泉鏡花の観念小説で書かれた男女の恋をきっかけに、「外科室」と
「琵琶伝」を通して、作品の女主人公の行為と心理変化を分析し、泉鏡花の女性観と愛情観を考察しようとするものである。また、泉鏡花の観念小説は以降の浪漫的な作風に与えた影響も明らかにしたい。
2 泉鏡花の観念小説について
日清戦争(1894~1895)後の日本では、社会の近代化と封建的な価値観との対立、また貧富の差の拡大などに目を向けた観念小説、深刻小説(悲惨小説)が生まれた。その後、『国民之友』は 1896 年 10 月号に「社会小説出版予告」を掲げ、「社会、人間、生活、時勢といへる題目」の創作化による「文壇革新」を唱えた。いずれも特定の時代を背景にし、その時代の社会や世相に出た人生の真相をめぐる小説のことである。
その中には、観念小説は主に日清戦争後の 1895 年頃に流行した一群の小説を指している。すなわち、1895 年に発表された泉鏡花の「夜行巡査」「外科室」、川上眉山の
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