安部公房《砂女》和《箱男》研究——以乌托邦视点为中心毕业论文

 2021-04-01 11:04

摘 要

安部公房是日本战后文学派中的重要代表人物。他的作品极具社会特征,颇具研究价值。本论通过安部公房的两部作品(《砂女》、《箱男》)并借助乌托邦视角分析作品中“砂”的世界和“箱”的世界,以此来解读安部公房作品中所隐藏着的变革诉求。

“乌托邦”随着时代的变更不断革新。它既是作为完美世界来讽刺现实的工具,也是乌托邦文学作品中作为完美蓝图来改造现实世界的工具。因此,即使它只是一个无法实现的理想社会或是思想,但就其本质,都积极地引导着人们寻求变革。

作品《砂女》和《箱男》的大时代背景是二战后的日本。日本在经历二战后的经济萧条时期,迎来了精神和物质上新的“春天” (日本经济高度发展时期), 但与此同时人们渐渐丧失对社会的变革意识,停滞不前,并且伴随着资本主义经济发展而产生的各类社会问题也接踵而至。两部作品中,人物都逃离了不安的都市生活,进入了一个所谓的理想世界——“砂”的世界和“箱”的世界。在《砂女》中,以仁木为例,无论是前期期待救援的他,还是放弃逃离,留在村中研究装置的他,再或是处于村中复杂人际关系网中的他,他始终是一个具有都市意识的人。因此人们才会又一次陷入新的矛盾。《箱男》中,以在“箱”中得到满足感的“我”、躲藏在“箱”中才感受到世界的善良的“D”为例,他们看似成功地收获了在都市中所遗失的美好,但实际上,他们依然是如同“医生”那样的人, 在世界毁灭时,仍然会选择去往热闹的都市。因此,“箱”的世界和“砂”的世界只是他们短暂离开现实的避难所,通过这样的虚假乌托邦世界来对比现实,探寻社会的缺憾和美好的空间。究其根本,如果人们企图真正意义上的逃离都市, 必然需要变革。

【关键词】:《砂女》 《箱男》 乌托邦 变革

要旨

安部公房は日本の戦後派の重要な代表人物である。社会的な特徴を持つ彼の作品は非常に研究価値がある。本論は日本の高度経済成長時期における安部の二作品『砂の女』、『箱男』を通し、ユートピアの視点から「砂の世界」と「箱の世界」を分析し、安部の作品における変革思想を解読してみた。

時代の変遷につれ、ユートピア思想は絶えず革新してきた。完璧な世界とされるユートピアは現実を皮肉る道具でもあり、ユートピア文学作品における完璧な青写真として、現実世界を作り直す道具でもある。それで、ユートピアはたとえ実現できない理想社会または思想にしても、その本質から言えば、人間を変革に導く役割を果たしている。

『砂の女』と『箱男』の時代背景は二戦後の日本である。日本は二戦後の不景気を経て、精神上、物質上に新らたな春(日本の高度経済成長時期)を迎えた。それと共に、人間は社会の変革意識も次第に失っていった。一方、資本主義経済が実施されたため、各種の社会問題も現れた。その二作品は共に、人物は不安の都市から逃げ出し、理想世界というの地方(「砂の世界」と「箱の世界」)に入ったということを描いた。『砂の女』の仁木を例とすれば、前期に救援を期待する時でも、最後に暫く逃げ出すことを放棄し、村に残り溜水装置を研究する時でも、または村の複雑な人間関係に悩まされる時でも、彼は始終都市の意識を持つ人間である。仁木という主人公、から人間は一つの矛盾から脱出したばかりにまた新しい矛盾に陥るということが分かるだろう。『箱男』では、「箱」にいることから満足感を得た「ぼく」も、「箱」の中に隠れることで世界の優しさを感じる「D」も、都市で失われた良いものを獲得したようだが、「医者」と同じように、世界が壊滅する時にまた賑やかな都市を求める羽目になる。それで、「砂の世界」も「箱の世界」も単なる彼らが暫く現実から逃げた避難所である。二作とも偽のユートピアを都市の鏡に、社会の不足と失われた良いものを探ると言える。本質から言えば、人間は都市から徹底的に逃げ出すには、変革しなければならない。

【キーワード】:『砂の女』、『箱男』、 ユートピア、 変革

目次

始めに 1

第一章 安部公房と作品のあらすじ 3

第一節 安部公房について 3

第二節 作品のあらすじ 3

第二章『砂の女』と『箱男』の時代背景 5

第一節『砂の女』 5

第二節『箱男』 6

第三章『砂の女』と『箱男』におけるユートピア 7

第一節 ユートピアの概念 7

第二節『砂の女』におけるユートピア 7

第三節『箱男』におけるユートピア 9

第四章『砂の女』と『箱男』における変革思想 12

第一節『砂の女』から見る変革思想 12

第二節『箱男』から見る変革思想 13

おわりに 15

参考文献 16

謝辞 17

始めに

安部公房は第二次戦後派の中で特異な作風をもつ作家であり、多くの優れた作品を創作した。その中には、『砂の女』は安部公房の代表的作品で、日本では広く知られるだけでなく、海外でも高い評価が得られている。『箱男』は『砂の女』が発表されて十年後の安部公房の作品として、前の作品よりもっと成熟さが見られるが、終始作品のテーマは終始貫かれているようである。それに、二作品に関する先行研究が少なくないようである。

幸田国広(2000 年)は『砂の女』について、主人公が日常からの脱出を求めてやってきた先で新たな閉塞状況(砂の穴)に陥ってしまうという矛盾を論

述した。溜水装置の発見は都市の自由あるいは新たな矛盾への道の象徴であり、日本未曾有の資本主義に突入しはじめた時代の人の欲望がまるで砂の穴に胚

胎した欲望を指摘した。1中野和典(2013 年)も『砂の女』について、資本主義経済のもとでは不正常な自由が発展され、人々は孤独しながら外界を深く恐れているため、消極的な自由から逃げ出して新たな自由を求める主題を分析している。2『箱男』について、片野智子(2015 年)は〈見る│見られる〉という関係の根底は相手の自由を奪おうとする人間の本質的な欲望であると分析 する。また、主人公が箱男になった後、見る視線の権力をもったが、その代わりにぶく自身がなくなった、さらに贋のぶくの人間になった恐怖を背負う矛盾を指摘する。3今まで二作品について、多くの評論者はもう大変豊かな成果を収めたが、主な研究の焦点は矛盾の反復に絞っているようである。その視点から見れば、人間は、「箱の世界」、「砂の世界」、あるいは「都市の世界」、どの世界にいっても、矛盾、不安と共生している。実に、二作品の中に表れた矛盾の反復をテーマにしているが、安部公房が矛盾の反復から現れるその矛盾の中身は作品の真意である。

前に述べたように、『砂の女』と『箱男』の創作は十年もの間隔があるが、テーマは終始変わっていない。本研究は先行研究を踏まえながら、安部公房の異なる時期における二作品を比較して、ユートピアの視点で、安部公房の作品

1 幸田国広:『<欲望gt;の行方/「砂の女」論』,『日本文学』49(9),2000 年 9 月号

2 中野和典:『自由と反復:安部公房「砂の女」論』,『文学批評説』第 9 号,2013 年 3 月

3 片野智子:『安部公房「箱男」論――匿名性された監視を越えて』,『学習院大学大学院日本語日本文学』,第 11 号,2015 年 3 月

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